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勅使河原 誠; 池田 裕二郎*; Yan, M.*; 村松 一生*; 須谷 康一*; 福住 正文*; 能田 洋平*; 小泉 智*; 猿田 晃一; 大竹 淑恵*
Nanomaterials (Internet), 13(1), p.76_1 - 76_9, 2023/01
被引用回数:2 パーセンタイル:71.03(Chemistry, Multidisciplinary)冷中性子以下の中性子強度を高めるため、ナノサイズグラフェンの集合体が、ナノダイヤモンドと同様に中性子のコヒーレント散乱を促進できることを提案した。さらには、グラフェンの強いsp2結合は、高い耐放射線性を有する可能性を秘める。理研の加速器駆動型小型中性子源やJ-PARCのiMATERIAを用いて、ナノサイズグラフェンの中性子全断面積測定,中性子小角散乱測定を行った。測定結果より、ナノサイズのグラフェン集合体は、コヒーレント散乱に起因すると考えられる冷中性子エネルギー領域での全断面積と小角散乱を増大させ、ナノダイヤモンドと同様に高い中性子強度をもたらすことを世界で初めて明らかにした。
勅使河原 誠; 土川 雄介*; 市川 豪*; 高田 慎一; 三島 賢二*; 原田 正英; 大井 元貴; 河村 幸彦*; 甲斐 哲也; 河村 聖子; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 929, p.113 - 120, 2019/06
被引用回数:16 パーセンタイル:87.15(Instruments & Instrumentation)ナノダイアモンドは、冷中性子以下のエネルギーにおける反射材として注目されている。ナノダイアモンドを用いた中性子源の高度化には、断面積データの整備が必要である。そのため、この論文では、中性子の透過率の測定から0.2meVから100meVの範囲で全断面積を測定した結果を報告する。測定した全断面積は、エネルギーが低くなるにつれて大きくなり、グラファイトと比較すると0.2meVで約2桁以上高くなることが分かった。その全断面積に占める非弾性散乱の寄与を調べるため、中性子のエネルギー1.2, 1.5, 1.9及び5.9meVで中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、測定したエネルギーにおいて、全断面積に占める非弾性散乱の寄与がほぼ無視できることも分かった。さらに、中性子小角散乱実験の結果から、全断面積の高くなる要因として、前方方向、いわゆる小角方向への散乱の寄与が高いことが示された。